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スフレを穴だけ残して食べる方法

2020-01-01から1年間の記事一覧

岸本でブルデュー『ディスタンクシオン』に入門して思うこと

つい先日、TwitterではNHK出版の「100分de名著」シリーズ、岸政彦『ブルデュー『ディスタンクシオン』 2020年12月』(以下、著者の名前を取って「岸本」と呼ぶ)が話題になっていた。 NHK 100分 de 名著 ブルデュー『ディスタンクシオン』 2020…

「芸術作品を情動そのものとして理解する方法」資料公開(+質疑応答)

先日哲学若手研究者フォーラムで行った発表「芸術作品を情動そのものとして理解する方法」のスライド資料になります(発表の時点では別ファイルにしていた文献リストを追加してあります)。 スライドだけ見ても議論を十分に把握するのは難しいでしょうが、断…

「画像ならではの感情表現:リチャード・モスの挑戦」資料公開

先日ART RESEARCH ONLINEで行った「画像ならではの感情表現:リチャード・モスの挑戦」と題する発表のスライドになります。 発表自体はアーカイブがあり、以下のリンクより視聴できます。 画像ならではの感情表現という美学上の理論的な問題とリチャード・モ…

「視覚的修辞:エル・グレコからアボガド6まで」あとがき

『フィルカル』最新号、描写の哲学特集に寄稿した表題の論文のあとがきです。 描写の哲学における分離をめぐる議論を手がかりに、「視覚的修辞」と名づけた技法の存在、構造、意義を浮かび上がらせる内容となっています。 以前「描写の哲学研究会」で行った…

情動表出に関するコリングウッド『芸術の原理』の有名な一節

Collingwood, R. G. 1938. The Principles of Art. Oxford University Press. 哲学若手の発表で使う予定が、時間に余裕がなく、結局使わなかった一節。 せっかくなので訳出したものをここに載せておきます。 コリングウッドの情動表出の理論の要点が詰まった…

後期近代視覚芸術における語りの役割:文脈化と再文脈化(デイヴィッド・デイヴィス)

Davies, D. 2007. Telling Pictures: The Place of Narrative in Late Modern ‘Visual Art’. in Philosophy and Conceptual Art, eds. P. Goldie & E. Schellekens, 138-156. Oxford University Press. 今回は以前取り上げた論文集『Philosophy and Conceptu…

「画像における情動表出」解題+あとがき

今年の一月に修士論文を提出したので、それについて書きます。 (どこで読めるかは下の方に書いてあります。) 主題はタイトルにあるとおり、「画像における情動表出」です。 画像は目に見える事物、富士山やアスパラガスなどを描写(depict)できるほか、目…

「描写内容と画像内容の差:エル・グレコからアボガド6まで」

先日開催された描写の哲学研究会で行った発表のスライドになります。 視覚的修辞という現象を浮かび上がらせ、定式化する内容です。 スライドだけではわかりにくい点も多々あるかと思いますが、記録として。 文章化の予定があるので、そこで枠組みを修正した…

エル・グレコの人体解剖:病理的産物か、芸術的選択か

Laios, K., M. Moschos and G. Androutsos. (2017). “Human Anatomy in the Paintings of Dominicos Theotokopoulos”. Italian Journal of Anatomy and Embryology 122: 1–7. El Greco, Saint Jerome as Scholar, ca. 1610. 今回はマニエリスムの画家エル・…