#EBF6F7

スフレを穴だけ残して食べる方法

2019-01-01から1年間の記事一覧

コンセプチュアル・アートの哲学事始め

コンセプチュアル・アートという芸術運動、もしくは芸術のカテゴリーがある。 アートワードでは、「アイデアやコンセプトを作品の中心的な構成要素とする動向」だと説明されている。 その事例としてよく挙げられるのは、ジョセフ・コスースの『一つと三つの…

写真のニュー・セオリー:批判的吟味と応答(その2)

C. Abell, P. Atencia-Linares, D. Lopes, D. Costello. 2018. “The New Theory of Photography: Critical Examination and Responses.” Aisthesis 11(2): 207-234. 前回:写真のニュー・セオリー:批判的吟味と応答(その1) - #EBF6F7 『ベティ』のような…

写真のニュー・セオリー:批判的吟味と応答(その1)

C. Abell, P. Atencia-Linares, D. Lopes, D. Costello. 2018. “The New Theory of Photography: Critical Examination and Responses.” Aisthesis 11(2): 207-234. 近年、写真の哲学では大変動が起きているらしい。 写真の本性に関する従来の見解を覆す「ニ…

画像的キャラクターの新たな謎

キャラクター研究が盛り上がるなか、あまり注目されていない一つの問題がある。試論ではあるが、それを取り上げてみたい*1。 二つのキャラクター概念 二つのミニマルなキャラクター概念から始めよう。 第一に、キャラクターとは物語の登場人物である。 『オ…

ベンス・ナナイ「物語的画像」

Nanay, B. 2009. “Narrative Picture.” Journal of Aesthetics and Art Criticism 67(1): 119–129. 「物語」という語を聞いて、われわれがまず思い浮かべるのは文学作品だろう。しかし、言語を用いない物語もある。物語画、より一般には物語的画像*1がそうだ…