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スフレを穴だけ残して食べる方法

Diary

ワークショップ「作者の意図、再訪」開催概要(+おまけ)

哲学オンラインセミナーにてワークショップ「作者の意図、再訪」を開催します。 開催概要は上記リンクから確認できますが、一応ここにも掲載しておきます。 ワークショップ「作者の意図、再訪」 日時:6月4日(土)14:00–17:00 概要: 作者の意図は芸術解釈…

サルでもわかる逆遠近法

逆遠近法とは何でしょうか。 わかりやすい記述と例を示したのち、逆遠近法がわかりにくい理由を考えてみます。 逆遠近法のわかりやすい記述 コトバンクに載っている以下の記述が一番わかりやすいと思います。 ぎゃく‐えんきんほう ‥ヱンキンハフ【逆遠近法】…

分析哲学批判の一つのパターンについて

分析哲学批判の一つのパターン 分析哲学批判には一つのパターンがある。 いくつか例を挙げてこれを示そう。 山口尚による分析哲学批判は、一言で言えば分析哲学のスポーツ性を問題にしている。 この「スポーツ性」なる性質は「「手を変え、品を変え」という…

『図鑑 世界の哲学者』の書評を書きました

ART RESEARCH ONLINEにて、サイモン・ブラックバーンが監修し、熊野純彦が日本語版を監修した『図鑑 世界の哲学者』の書評を書きました。 図鑑 世界の哲学者 発売日: 2020/08/06 メディア: 大型本 以下のリンクよりご覧いただけます。 哲学者の図鑑というの…

岸本でブルデュー『ディスタンクシオン』に入門して思うこと

つい先日、TwitterではNHK出版の「100分de名著」シリーズ、岸政彦『ブルデュー『ディスタンクシオン』 2020年12月』(以下、著者の名前を取って「岸本」と呼ぶ)が話題になっていた。 NHK 100分 de 名著 ブルデュー『ディスタンクシオン』 2020…

「画像における情動表出」解題+あとがき

今年の一月に修士論文を提出したので、それについて書きます。 (どこで読めるかは下の方に書いてあります。) 主題はタイトルにあるとおり、「画像における情動表出」です。 画像は目に見える事物、富士山やアスパラガスなどを描写(depict)できるほか、目…

画像的キャラクターの新たな謎

キャラクター研究が盛り上がるなか、あまり注目されていない一つの問題がある。試論ではあるが、それを取り上げてみたい*1。 二つのキャラクター概念 二つのミニマルなキャラクター概念から始めよう。 第一に、キャラクターとは物語の登場人物である。 『オ…

「画像における情動表出の多様性」あとがき

先日の発表のスライドになります。 以下ちょっとした解説です。 情動表出と情動喚起 当日は情動喚起について一切触れなかったが、それが災いしてか、情動表出と情動喚起を混同している意見が聞かれた。しかし、この二つはまったく異なる現象だ。 情動喚起:…

Ed Ruschaの発音とカタカナ表記について

Ed Ruscha and the Great American West 作者: Karin Breuer,Kerry Brougher,D. J. Waldie 出版社/メーカー: Univ of California Pr 発売日: 2016/07/12 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る ガソリンスタンドや言葉を描いた絵画で知られるEd…

ジェフ・クーンズの「ゲイジング・ボール」シリーズについて

ジェフ・クーンズの近作が不評らしい。しかし、クーンズのキャリアをキッチュという点から考えるとき、その近作のひとつ「ゲイジング・ボール」シリーズはきわめて意義深いものに思われる。そこで、このシリーズについて少しばかり考察してみたい。 2013年を…

TYM344作《対マレーヴィチ:音》について

2015年6月、新宿眼科画廊にてTYM344氏の個展「サブスタンス」が行われた。新作が所狭しと展示された華やかな展覧会であったが、ここではとりわけ一点の小品《対マレーヴィチ:音》について記したい。 マレーヴィチ作《黒の正方形》は作家が頻繁に引用するモ…